特別セッション
日時:9月10日(日)13:50~
会場:G3 +G4
(ほかサテライト会場あり)
(ほかサテライト会場あり)
講師:松田 幸久
(まつだこどもクリニック)
(まつだこどもクリニック)
寺澤 大祐
(岐阜県総合医療センター)
(岐阜県総合医療センター)
特別ゲスト:さだ まさし
日常の外来小児科診療をしていると、自分たちはあまりに小さな存在で、災害のときに私たちは何ができるのかと思ってしまうことがあります。今回は実際の小児科医師の経験談や、災害時に備えた小児医療と行政などとの連携の準備などについても語っていただこうと思います。
また、ゲストにシンガーソングライターで小説家のさだまさしさんをお迎えします。 さだまさしさんはコンサート活動だけでなく、風に立つライオン基金を設立し、災害で苦しむ人を支援する活動にも力を注いでいます。 年次集会の最後を飾る、皆さまの思い出に残る企画にしたいと思いますので、ぜひご来場ください。
講演1
開業医の災害ボランティアについて
松田 幸久(まつだこどもクリニック)
私の被災地へのボランティアは、私の郷里の島原が普賢岳災害で被害を受けた時、全国の人たちからたくさんの支援をしてもらったことがきっかけだった。阪神大震災の時は、神戸の診療所に参加した。新潟の中越地震の時は必要な物品を聞いて送った。その後、東北大震災の時は、小児科医の仲間と岩手の大船渡、宮古市、陸前高田市を回った。子どもたちは、避難所の中でおとなしくしていたが、我々大人たちがシャボン玉、折り紙、風船などを持っていくと、顔が綻んできた。子どもたちの心のサポートや、保護者の悩みなどに答える形で活動した。音楽や、絵本の読み聞かせや、相談時間を設けて、母親の不安な気持ちによりそう活動をした。開業医が被災した現地に行って活動には、時間的に厳しいが、被災地に行かなくてもできることがある。被災地の人と連絡を取り、子どもたちに必要なもの、不足しているものを集めて送ることである。また、私の地元では、台風、土砂崩れ、大雨による河の氾濫などの危険性がつきまとう。みんなが災害に巻き込まれないためにも、日頃からの備えと、地域の人たちとの日頃からの付き合いや、行政との関わりも重要だと思う。また、地域の高校生バランティア団体などの若い力を取り込んでいくのも、今後の災害支援の一つに考えたい。
講演2
災害と小児科医~どんな時でも 私たちは 弱い人を守る~
寺澤 大祐(岐阜県総合医療センター 新生児内科、公益財団法人 風に立つライオン基金 風の団 専門団、災害時小児周産期リエゾン)
日本の災害医療における支援体制は、阪神大震災を契機に大きく進んだ。阪神大震災の教訓をもとに作られた全国組織が DMAT だ。その後も台風、酷暑、豪雪など多くの災害を乗り越えながら被災者を守るための取り組みが進められてきた。
東日本大震災の後に大きく進んだものが、災害弱者である子供、障害児者、妊産婦への支援をするための専門組織「災害時小児周産期リエゾン」である。これは災害時に被災地の災害医療対策本部にリエゾンの資格を有する小児科医らが常駐し、医療機関支援、患者受け入れ・移送支援、保健支援など子供の総合医の視点から、DMAT や災害医療コーディネーターと協力して調整業務を行うものである。
いつの時代も子供は弱い存在である。
災害ではその弱い存在がさらに浮き彫りになる。そんな時こそ私たち小児科医は、その専門領域の如何に問わず、子供の代弁者でありたいと思う。
今回の講演ではリエゾンの歴史と役割を概説しつつ、自らも被災者となったときの小児科医としての役割について、会場の先生方と共に考えたい。
東日本大震災の後に大きく進んだものが、災害弱者である子供、障害児者、妊産婦への支援をするための専門組織「災害時小児周産期リエゾン」である。これは災害時に被災地の災害医療対策本部にリエゾンの資格を有する小児科医らが常駐し、医療機関支援、患者受け入れ・移送支援、保健支援など子供の総合医の視点から、DMAT や災害医療コーディネーターと協力して調整業務を行うものである。
いつの時代も子供は弱い存在である。
災害ではその弱い存在がさらに浮き彫りになる。そんな時こそ私たち小児科医は、その専門領域の如何に問わず、子供の代弁者でありたいと思う。
今回の講演ではリエゾンの歴史と役割を概説しつつ、自らも被災者となったときの小児科医としての役割について、会場の先生方と共に考えたい。
みんなで「舞いあがれ!」

私たちの外来小児科学会年次集会に、さだまさしさんをお呼びできたらと夢見ていました。
2011年、東日本大震災のとき、私は被災地に行きませんでした。でも、クリニックの看護師が被災地の出身ということもあり、短期間ですが避難所でボランティアをしてくれました。
「先生のふだんの診療のトークがすごく役立ちました。」帰ってきてすぐにそんなことを言ってくれました。私たち外来小児科医がとても大切にしている「ホームケア」の知識を伝えることが、被災地でとても役立ったようです。
災害医療というと救命救急のようなイメージがありましたが、ナースのその言葉は、もしかすると自分たちにもできることがあるのかもしれない、という気持ちにさせてくれました。
さだまさしさんは、東日本大震災をきっかけに被災地支援を始められ、「公益財団法人風に立つライオン基金」を作り、地震や水害などの被災地に赴き、慰問や物資支援といった目にみえる行動をされています。そして、新型コロナウイルス感染症で活動する、医療、福祉関係者への支援もされています。ごく最近では、トルコ地震への物資支援にも力を入れていらっしゃいます。
学会の最後を飾る、特別セッション、「災害と小児医療と私たち」の特別ゲスト、そして特別講師!として、さだまさしさんに思いを語っていただき、私たちとともに、「次世代へのバトン」を小児医療に携わる者たちに伝えていただけたらと思っています。
私より少し年下の次世代には、「風に立つライオン」の歌に心を揺さぶられ、医療の道に入った方もたくさんいると思います。そのさだまさしさんをお迎えすることで、今回の年次集会の価値をより確かなものにできると思います。
さだまさしさん、朝ドラの舞ちゃんだけじゃなく、私たちにもエールを送ってください!
参加していただく皆さま、ぜひお楽しみに。
第32回年次集会会頭 山本 淳
さだまさし プロフィール
長崎市出身。シンガー・ソングライター、小説家。
’73年フォークデュオ・グレープとしてデビュー。
’76年ソロ・シンガーとして活動を開始。
「関白宣言」「北の国から」など数々のヒット曲を生み出す。
ソロデビュー以来、通算4500回を越えるコンサートのかたわら、小説家としても「解夏」「眉山」「風に立つライオン」などを発表。多くの作品が映画化、テレビドラマ化されている。
またNHK「今夜も生でさだまさし」のパーソナリティを10年以上継続、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の語りなどでも活躍。
2015 年「公益財団法人 風に立つライオン基金」設立以来、さまざまな助成事業や被災地支援事業などにも尽力。
今年50周年を迎え、6月より50th Anniversary全国コンサートツアーを開催中。